お店や会社のホームページの作り方としては大きく分けて4パターンの作成方法があります。
それぞれを比較してみると「簡単さ、費用、必要なWebサイトの知識、メリット、デメリット…」などが違うので、まずは4つの制作手段の特徴を知ることが大切です。
ホームページの制作会社(プロ)に依頼する
1つ目は「ホームページの制作会社(プロ)に依頼する」方法です。
制作会社に依頼すれば、デザインはもちろんのこと、素人では難しい作業も全て任せることができるので簡単にホームページを作れます。
もちろんその反面、自分で作成するよりも多くの費用が掛かります。依頼する作業(Webサイトに対する希望)が増えるほど料金も高くなっていきます。
また、ホームページは作っただけで終わりではありません。サイトを運営していくためには下記のような作業が必要となる場合があります。
- 文章や画像の変更
- ページの新規追加
- ドメインやレンタルサーバーの管理・契約更新
- SEO対策(検索エンジン対策)
これらのアフターフォロー(更新や管理)についても制作会社にお願いするのか、もしくは自分で行うことができるのかを事前に打ち合わせすることが大切です。
制作会社の選び方
Googleで「ホームページ 制作会社 地域名」と検索すれば、制作会社は山のように出てきます。しかしその中から良い制作会社を選ぶ方法を知らないと「想像していたデザインと違う…」「見積もり以上に費用が高くなった…」という事になりかねません。
そこで「ホームページ制作会社の選び方」については下記2つのポイントを重点的にチェックしましょう。
1.実績
まずは実績(過去にその会社が作成したサイト)を確認することが一番分かりやすいポイントです。多くの制作会社では自社のホームページ上に「実績」という項目があります。そこから実際に作成されたホームページを確認しましょう。
この際、デザイン的なセンスは実績サイトを見れば大体分かります。デザインが古かったり、どのサイトも同じようなデザインばかりの場合は避けた方が無難です。
また、実績サイトが検索エンジン(Google)で上位に表示されているかどうかをチェックしましょう。例えば美容室のサイトであれば「◯◯市 美容室」などのキーワードで検索して順位を確認します。これはSEO対策(検索エンジン対策)に強い制作会社かどうかを判断する参考材料となります。
2.問い合わせに対する対応
次に電話やメールで問い合わせた時の担当者の対応も大切です。専門用語ばかりを並べて何を言ってるのか分からない…という制作会社は避けましょう。
こちら側も分からないことは分からない(知らないことは知らない)とはっきり伝え、こちらの分かる言葉できちんと説明してくれる制作会社を選びましょう。
費用の相場
次に制作会社に依頼する場合の費用の相場について見ていきましょう。
初期費用
どのようサイトを作りたいかによって初期費用は大きく変わってきます。主に初期費用に含まれるものとしては、
- ディレクション(制作進行の管理作業)
- サイトのデザイン
- 各ページの作成
- 独自ドメインの契約料
- レンタルサーバーの契約料
などです。1〜3はホームページのデザインや規模(ページ数)、必要な機能などによって大きく変わってきます。
【格安になるパターン】
例えば、デザインはテンプレート(制作会社に用意されているデザイン)から選び、最低限のページ数(数ページだけ)の場合だと、初期費用(1〜5の合計)が3〜5万円であれば格安・激安と呼べる相場です。
【高額になるパターン】
逆に、テンプレートを使わずに一からオリジナルのデザインで作ってもらい、サイトのボリューム(ページ)が数十ページもある場合だと、数十万円〜の金額となるでしょう。
費用が高額になる場合は、できるだけたくさん見積もりを取ることをおすすめします。これは同じ依頼内容でも制作会社によって大きく金額が変わってくるためです。(見積もりだけなら無料の所が多いです)
また、下記のような作業は初期費用の中では「オプション」として扱われ、別料金が発生することがあります。
- ロゴ作成
- メールアドレス作成
- WordPressやブログの導入
- お問い合わせフォームの作成
- イラストや写真素材の利用
- SEO対策(検索エンジン対策)
月額料金(維持・管理費)
次にホームページ完成後の維持費・管理費について見ていきます。
制作会社に依頼した場合「保守」「維持」「管理」などの名目で月額料金として固定費(ランニングコスト)が発生する場合があります。
ホームページは作成して終わりではないので、サイト(主にサーバーやドメイン)を維持したり、ページの追加・変更作業のための費用になります(下記参照)
- 独自ドメインの更新料
- レンタルサーバーの更新料
- ページの追加・変更作業の代金
この中で絶対に必要な費用としては1と2です。
独自ドメインの更新料は実費で年間約1,500円〜3,000円程度です。また、レンタルサーバーの更新料は実費で年間約5,000円〜30,000円程度が多いです。
そのため、独自ドメインとレンタルサーバーを制作会社が代行して契約してくれている場合、その費用(最低でも上記の1と2の実費)は必要になります。
また、ページの追加・変更作業は、月額料金に含む場合と含まない場合があります。これは制作会社との契約方法によっても変わりますが、月額料金に含まない場合は、その都度の作業量によって数千円〜数万円の作業料金を支払うことになります。
メリット
実はホームページを制作会社に作成してもらうメリットは、数年前に比べるとかなり少なくなっています。
以前はある程度Webの知識が無いとホームページは作れなかったので、制作会社に依頼するのが当たり前でした。しかし現在では、簡単にホームページを作成できるサービス(後述)が増えてきたので、Webの知識が無い方でも、キーボードやマウスの操作だけでホームページを開設できる時代になってきたのです。
デメリット
デメリットとしてはやはり費用面です。オリジナルのデザインを希望すればその分だけ高額になります。
また、制作会社が予め用意しているテンプレートの中からデザインを選ぶのであれば、後述の「簡単ホームページ作成サービス」や「WordPress」を利用して自分で作成しても、同じようなデザインレベルのサイトが作れるようになってきています。
簡単ホームページ作成サービスを利用する
2つ目は「簡単ホームページ作成サービスを利用する」方法です。
「ホームページ作成サービス」とは、Webサイトの制作経験やHTMLの知識が無い方でも、簡単にホームページやブログを作成することができるサービス(ツール)です。
有名な所では下記のようなサービスがおすすめです。
- こんなに簡単!店舗向けホームページがすぐ始められる「グーペ」
- ホームページ作成サービス、おちゃのこさいさい
- ありえないほど簡単にホームページができる【Jimdo】
- カンタンなのに美しい【ホームページ作成サービス | BiNDクラウド】
どのサービスも基本的にキーボードやマウスの操作だけで直感的にホームページが作れるようになっています。
また、最初からたくさんのデザイン用テンプレートが用意されているので、その中から気に入ったデザインのテンプレートを選ぶだけで、レイアウトが完了します。
あとはタイトルや文章を変更したり、画像を追加するだけで、プロが作ったようなキレイなデザインに仕上がります。
ページの追加や内容の変更も簡単で、管理画面から操作するだけですぐにサイトに反映されます。
ホームページ作成サービスの選び方・比較ポイント
ホームページ作成サービスの選び方としては、下記のポイントを比較しましょう。
デザイン用テンプレート
作成サービスごとに用意されているデザイン用テンプレートが異なりますので、まずはイメージにあったテンプレートがあるかどうかを確認しましょう。
ほとんどは、登録(申し込み)をする前に「テンプレート」や「レイアウト」という項目からテンプレート一覧(デモサイト)を見ることができます。
「飲食店」「サロン」「スクール」「病院」「士業」「企業」…というように、お店や会社の種類(ジャンル)に合わせて様々なデザインが用意されています。
また、基本的にスマホ対応されているテンプレートが多いのですが、念のためスマホで見た時のデザインについても確認しておきましょう。
独自ドメインが使えるかどうか
「ドメイン」というのはこのサイトで言うとringoame.net
というURLの最初の部分です。
あらかじめホームページ作成サービス側で用意されているドメインしか使えないプラン(共有ドメイン・サブドメイン)と、自由にドメインを決めることができるプラン(独自ドメイン)があります。
なお、お店やホームページのブランディングという意味でも、できる限り「独自ドメイン」が使えるプランをおすすめします。
※独自ドメインを利用するには、別途「ムームードメイン」などで独自ドメインを取得・契約する必要があります。
サーバー容量(ディスク容量)
ホームページ作成サービスというのは実は「レンタルサーバー」のような機能も兼ねています。
通常ならレンタルサーバーを借りてそこにホームページのデータ(HTMLや画像など)を保存する必要があります。しかし、ホームページ作成サービスで作ったページやデータは自動的にサーバー上に保存されるので、別途レンタルサーバーを借りる必要はありません。
ただし、何ギガでも自由にデータを保存できる訳ではなく、プランごとに「サーバー容量(ディスク容量)」というのが決まっています。
容量としては500MB〜5GBくらいのプランが多いです。余程の枚数の写真をアップしない限りは500MBあれば十分と言えるでしょう。
費用
ホームページ作成サービスを利用する場合に必要な費用には、「初期費用」と「月額料金」の2種類があります。
【初期費用】
初期費用は初回契約時のみ必要な費用で、各サイトやプランによって異なりますが、無料〜3,000円程度が多いです。いずれにしても制作会社(プロ)に依頼して作成するよりも圧倒的に安く作れます。
【月額料金】
月額料金も各サイトやプランによって異なりますが、無料〜月額3,000円程度が多いです。
【独自ドメインの費用】
もし、独自ドメインを利用する場合は、上記とは別で独自ドメインの契約・更新料として年間約1,500円〜3,000円程度が必要になります。独自ドメインを利用しない場合は不要です。
広告の表示・非表示
無料(もしくは格安プラン)のホームページ作成サービスの場合、ページの上部や下部に自動的に広告が表示される場合があります。広告と言っても、多くは「ホームページ作成サービスの公式サイトへのリンク」ですので目立つものではありません。
しかし、個人的なホームページならまだしも、お店や会社のホームページの場合、関係ない広告(リンク)が表示されるのはイメージ的には良くありません。
ほとんどの場合は、上位プランを選ぶことで広告を非表示にすることができますので、月額数百円の違いであれば上位プランを選択することをおすすめします。
その他、サイトによって必要な機能を確認
その他、どのようなサイトを作りたいかによって、下記の機能が含まれるかどうかを確認してプランを検討してください。
- フリーページ作成
- お問い合わせフォーム作成
- ブログ機能
- スライドショー
- カレンダー
- アクセス解析
- SNSとの連携
- メルマガ配信
メリット
ホームページ作成サービスを利用するメリットは、何と言ってもその簡単さです!
最短で1日もあれば登録(申し込み)から作成まで完了し、ホームページを公開することができます。
また、Webサイトの知識や制作経験が全く無くても、管理画面から簡単にページを作っていけるのも大きなメリットです。
費用もレンタルサーバーを借りる場合と比べてあまり変わりませんので、今回ご紹介した4つの作成方法の中では一番おすすめできる方法です。
デメリット
デメリットとして考えられることは、そのホームページ作成サービスが万が一事業を終了した場合、せっかく作ったページが無くなってしまうことです。こればかりは防ぎようがありませんが…
WordPressを使って自分で作る
3つ目は「WordPress(ワードプレス)を使って自分で作る」方法です。
「WordPress」とは、Webサイトの制作経験やHTMLの知識が無い方でも、簡単にホームページやブログを作成することができる仕組みです。
このように言うと先ほど説明した(1つ前の)「ホームページ作成サービスとはどう違うの?」ということになりますが、機能としてはとても似ています。
ホームページ作成サービスとの違い
大きな違いとしては3つあります。
【1】WordPressは予め用意されているサービスではないため、自分でレンタルサーバーを借りて、レンタルサーバーの中にインストールします。
【2】WordPressにはデザインテンプレート(テーマ)が膨大にあります。さらにデザインを自由にカスタマイズすることもできます。
【3】プラグイン(拡張機能)を追加することで、WordPressで作るサイトに様々な機能を持たせることができます。できないことは無い!というくらいたくさんの機能を追加することができます。
簡単にまとめると、ホームページ作成サービスと比較して【1】の手間が掛かる分、デザインと機能の自由度が高いというイメージです。
WordPressを利用するのに必要なものは?
ホームページの初心者・入門者にとってWordPressは難しいようにも思えます。
しかし、最近のレンタルサーバーは「WordPressの簡単インストール(自動インストール)」という機能が付いているものが多く、レンタルサーバーの管理画面から簡単にインストールできるようになっています。
つまり、WordPressを利用するために最低限必要なことは、簡単インストール機能があるレンタルサーバーを借りることだけです。
簡単インストール(自動インストール)機能あるレンタルサーバー
※WordPressを独自ドメインで運用したい場合は、別途「ムームードメイン」などで独自ドメインを取得・契約する必要があります。
【注意】WordPressのインストールにはDB(データベース)が必要です
WordPressではホームページのデータをWebサーバーとDB(データベース)に分けて保存する仕組みになっています。
Webサーバーは、レンタルサーバーのことです。
データベースは、レンタルサーバーの契約プランによって付いているものと付いていないものがありますので、各レンタルサーバーの機能一覧ページで確認してください。なお、WordPressの簡単インストール機能があるプランには必然的にデータベースも付いています。
費用
WordPressは無料でダウンロード・インストールできるソフトです。そのためWordPressを利用するのに必要な費用というのは「=レンタルサーバーを借りるのに必要な費用」ということになります。
レンタルサーバーを借りる費用としては、「初期費用」と「月額料金」の2種類があります。
初期費用
初期費用はレンタルサーバーの契約時に必要な費用で、1500円〜3,000円程度が多いです。
月額料金
前述の通り、WordPressにはDB(データベース)が必要です。一番安いプランなどではこのデータベースが付いていない(簡単インストールが使えない)場合が多いので注意してください。
データベースが使えるプランとしては、月額250円〜1,500円程度のものが多いです。
メリット
WordPressを利用するメリットは、何と言ってもその自由度の高さです。
元々用意されているデザインテンプレートも豊富ですが、更にそこからデザインをカスタマイズすることができます。
また、様々なプラグイン(拡張機能)によって、問い合わせフォームを作ったり、SEO対策を行ったりと、実に多く機能を追加することができます。
なお、自分でデザインをカスタマイズするのが難しい場合は、有料のデザインテンプレート(テーマ)も販売されていますので、こちらを利用することもおすすめです。
WordPress有料テーマ
デメリット
あまりデメリットはありませんが、強いて言うならばWebサイトの初心者・入門者にとっては少しだけ敷居が高いことです。
しかし多くのレンタルサーバーに「簡単インストール(自動インストール)機能」が装備されたことによって、その敷居も大幅に低くなりました。
ホームページ作成ソフトを使って自作する
4つ目は「ホームページ作成ソフトを使って自分で作る」方法です。
本来ホームページを作るためにはHTMLやCSSといった特別な言語を使う必要があります。
しかし、HTMLやCSSを知らない人でもホームページを作れるようにしたのがホームページ作成ソフトです。
パソコンにソフトをインストールし、そのソフト上(Wordのような画面)でページを作っていきます。Wordのような感覚で見出しや文章を変えたり、写真を貼り付けたりしてページを作ることができます。
ホームページ作成ソフトを利用するのに必要なものは?
ソフトを購入する
まずは何と言ってもソフトが必要です。一番有名で人気が高いのは下記の「ホームページ・ビルダー」です。
※ちなみにこちらはWindows用です。残念ながらMac用にホームページ・ビルダーは販売されていません。
レンタルサーバーを契約する
次に必要なものはレンタルサーバーです。
ホームページ作成ソフトで作ったホームページは、それだけでは自分しか(パソコン上でしか)見ることができません。
これを誰でもアクセスできるようにするには、レンタルサーバー上にソフトで作ったデータ(ファイルや画像など)をアップロードする必要があります。
おすすめの格安レンタルサーバー
※独自ドメインを利用するには、別途「ムームードメイン」などで独自ドメインを取得・契約する必要があります。
ホームページ・ビルダーの使い方
ホームページ・ビルダーの使い方については、言葉で説明するよりも公式サイトの動画を見ていただく方がイメージし易いと思います。
費用
費用としては「ホームページ作成ソフトの購入代金」と「レンタルサーバー代」の2つです。これを初期費用と月額料金(ランニングコスト)に分けて見てみましょう。
初期費用
まず「ホームページ作成ソフトの購入代金」は初期費用に含まれます。例えば先ほどの「ホームページ・ビルダー21 スタンダード 通常版」の場合ですと約12,000円です。
次にレンタルサーバーの契約時に必要な初期費用は1500円〜3,000円程度が多いです。
月額料金
ランニングコストとしてはレンタルサーバー代が掛かります。月額250円〜1,500円程度のものが多いです。
なお、月額100円程度の激安プランもありますが、「飲食店・美容室・クリニックなどのお店や会社のホームページ」であればもう少し上のプラン(月額500円〜)をおすすめします。
メリット
ホームページ作成ソフトを使って自分で作るメリットとしては、HTMLやCSSといったWebの知識がなくてもホームページが作れる点です。
ただし、今回ご紹介した4つの方法は全てHTMLやCSSの知識不要ですので、ホームページ作成ソフトに限ったメリットではありません。
デメリット
デメリットとしては、ソフトの生産中止のリスクです。いままでたくさんのホームページ作成ソフトがありましたが、その多くが生産中止(サポート終了)となってきました。これにより数年後も同じソフトが使えるのか?という心配はあります。
比較まとめ
さて、ホームページの作り方として王道の4パターンを比較してきましたが、いかがだったでしょうか?
- ホームページの制作会社(プロ)に依頼する
- 簡単ホームページ作成サービスを利用する
- WordPressを使って自分で作る
- ホームページ作成ソフトを使って自作する
これから比較検討される場合、まず「1.ホームページの制作会社に依頼する」か「2〜4.自分で作る」の2つに分かれると思います。
この2つは費用の面で大きく異なるので、できるだけ安く作りたいのであれば「2〜4.自分で作る」の中から選んでください。
また、全くの初心者や入門者には「2.簡単ホームページ作成サービスを利用する」をおすすめします。
逆に、ある程度Webサイトの知識がある方や、これからホームページについて勉強したいと思っている方には「3.WordPressを使って自分で作る」をおすすめします。